「ネットで下半身太りのタイプ診断をやったら、毎回違う結果が出るんです」
「むくみタイプと言われたけど、対策をしても変わりません」
「そもそも自分がどれなのか、自分では分からなくて」
タイプ分けの情報は世の中にあふれているのに、やってみると当たっている気がしない。この状態で相談に来られる方が多いです。
結論:下半身太りは大きく分けると、むくみ由来・脂肪由来・筋の使い方の偏り由来・骨格由来の4つが混ざって起きています。純粋にどれか一つ、という方はほとんどいません。だから「あなたは○○タイプです」と一つに決める診断は、たいてい外れます。見るべきは、自分の中でどれの比率が高いか、なんですよ。
なぜ「タイプ診断」は当たらないのか
多くの診断は、いくつかの質問への答えから一つのタイプを返します。しかし実際の脚は、朝はむくみが強く、夕方は張りが強い、というように時間帯でも変わります。片脚だけ違うこともあります。
一つに決めた瞬間、他の要素が視界から消えます。むくみタイプと言われた方が、むくみ対策だけを続けて変わらないのは、実際には筋の使い方の偏りのほうが大きかった、というケースが多いです。
むくみの比率が高いかを見分ける
分かりやすい指標があります。朝と夜で太さが違うかどうかです。夜になると靴下の跡が深く残る、靴がきつくなる、脚が重だるい。この差が大きいほど、むくみの比率が高いと考えられます。
もう一つ、すねの骨の上あたりを指で5秒ほど押して離してみてください。へこみがすぐ戻らない場合は、水分が溜まっている可能性があります。ただし、急に強く出た、片脚だけ極端、痛みを伴うといった場合は、運動指導の範囲を超えます。自己判断せず医療機関に相談してください。
脂肪の比率が高いかを見分ける
こちらは、つまめるかどうかです。皮膚と一緒に柔らかくつまめる厚みがあるなら、脂肪の寄与が大きいと考えられます。体重や体脂肪率の変化と、脚の太さの変化が連動しているかどうかも手がかりになります。
体重が減ったのに脚だけ変わらない、という方は、脂肪以外の要素が大きい可能性が高いです。
筋の使い方の偏りを見分ける
これが一番見落とされます。立ったときに前ももに力が入っている感覚があるか、階段を上るときに前ももが疲れるか、椅子から立ち上がるときに前に体重が乗るか。ここに当てはまる方は、お尻ではなく前ももで体を支える癖がついています。
24年の指導で多いのは、実際の脂肪量はそれほどでもないのに、前ももの張りで太く見えている方です。この場合、食事を減らしても脚の見た目はあまり変わりません。減らす場所が違うんですね。
骨格の要素はどう扱うか
骨盤の傾きや脚の骨の並び方は、生まれ持った部分と、長年の姿勢で作られた部分があります。ここは変えられない部分と変えられる部分が混ざっています。
大事なのは、変えられない部分を変えようとして時間を使わないことです。骨の形そのものは変わりませんが、その上に乗る筋肉の使い方は変えられます。見た目に効くのは後者のほうです。
銀座トレーニングラボでの評価の仕方
当ラボでは、この4つを一つに決めず、比率として見ます。立ち姿勢と歩き方、朝夕の差、触ったときの質感を確認して、「今のあなたは、むくみ4・使い方の偏り4・脂肪2くらいですね」という形で共有します。
比率が分かると、何から手をつけるかが決まります。そして数週間後にもう一度見て、比率が変わっていれば手応えとして扱えます。体重が動かなくても、比率が動いていれば前に進んでいるんです。
日常でできること
まず、朝と夜に同じ場所を測ってみてください。太ももの一番太いところ、ふくらはぎの一番太いところ。数字そのものより、朝夜の差が何センチあるかを見ます。差が大きければむくみ寄り、差がほとんどなければ他の要素が主です。
これを何日か続けると、自分の脚の性質が見えてきます。診断サイトの結果より、自分の体で取ったデータのほうがよほど当てになりますよ。
よくある質問
Q. タイプは途中で変わりますか?
変わります。仕事の内容や運動量、季節でも比率は動きます。だから一度決めて終わりにせず、数ヶ月ごとに見直すことをおすすめしています。
Q. 両脚でタイプが違うことはありますか?
あります。立つときの重心の癖や、片側だけの負担が続いている場合に起こりやすいです。左右差が気になる場合は、その差がどこから来ているかを確認したほうが早いです。
Q. 診断だけしてもらうことはできますか?
評価そのものを目的に来ていただくことは可能です。ただし持病がある方や治療中の方は、まず医師の指示を優先してください。
【執筆者】今村 雅史(銀座トレーニングラボ代表・パーソナルトレーナー歴24年)
進化学・神経科学に基づいたトレーニング指導を専門とする。NASM OPTIMA 2025・2026年度講師。


