「仕事帰りに行きたいけど、髪を乾かす時間まで考えると現実的じゃなくて」
「ムキムキになりたくないと言うと、じゃあ軽めにしましょうと言われるんです」
「生理の週はしんどいのに、それを言っていいのか分からなくて」
女性からのジム選びの相談は、料金や設備の話より、この手の「言いにくいこと」で止まっていることが多いんですよ。
結論:女性のジム選びで実際に詰まるのは、料金でも女性専用かどうかでもありません。言いにくいことを言える相手かどうかです。体調の波、太くなることへの不安、通えない週。この3つを最初に話せないと、渡される設計が実物とずれたまま進みます。前の記事で書いた選び方の基準に加えて、ここを見てください。
詰まりどころ1:「太くなりたくない」が軽く扱われる
これが一番多いです。太くなりたくないと伝えると、負荷を下げる方向で対応されることがあります。しかし負荷を下げても、使い方が偏っていれば、張って太く見える状態は変わりません。
24年の指導で多いのは、前ももばかりで体を支えている方が、軽い負荷で回数を増やして、前ももの張りをさらに強くしてしまうケースです。必要なのは軽くすることではなく、使う場所を変えることでした。「太くなりたくない」に対して、負荷の話ではなく使い方の話が返ってくるかどうかを見てください。
詰まりどころ2:体調の波を計算に入れていない
女性の体調には周期があります。だるさ、むくみ、体重の増減。ここを「気合いで乗り切る」前提の設計にすると、必ずどこかで折れます。
体重が2キロ増えたように見える週があっても、それは水分の移動であることが多いです。この時期に食事を削って帳尻を合わせようとすると、かえって回りません。周期に触れずに数字だけで管理してくるところは、相談相手としては少し不安があります。
詰まりどころ3:時間の見積もりが甘い
銀座で働いている方の場合、退勤から次の予定までの間に何ができるかは、かなりシビアです。トレーニング60分だけでは終わりません。着替え、シャワー、髪、化粧。ここまで含めた実所要時間で考えないと、2週間で予定が崩れます。
体験のときに、実際にかかる合計時間を聞いてみてください。ここを具体的に答えられるところは、女性の通い方を実際に見ています。
詰まりどころ4:産後の扱いが雑
産後の体は、筋力の問題だけでなく、腹圧のかかり方や骨盤底の状態が変わっています。ここを飛ばして通常のメニューに入ると、お腹に負担が集中することがあります。
産後どのくらいから、何を避けるべきかを説明できるかどうか。ここは安全に直結する部分です。なお、産後の運動再開は医師の許可が前提です。許可の有無を確認しないところは、その時点で避けてください。
詰まりどころ5:目的が「痩せる」で処理される
女性の相談で多いのは、体重ではなく見た目の悩みです。脚だけ太い、下腹だけ出る、お尻が垂れる。これらは体重を落としても変わらないことがあります。
「痩せましょう」で全部を処理されると、体重は減ったのに悩みは残る、という結果になりやすいです。悩みの部位に対して、それが何由来なのか(むくみか、脂肪か、使い方の偏りか)を分けてくれるかどうかが分かれ目です。
銀座トレーニングラボの場合
当ラボは脚やせ・下半身太りを専門にしています。初回は評価から始めて、いまの脚の太さの内訳を比率でお伝えします。むくみ4・使い方の偏り4・脂肪2、というような形です。
体調の波や、通えない週があることは前提に組みます。来られない日に何をするかも一緒に決めるので、行けなかった週が「失敗」になりません。逆に、全身の筋肥大や競技のパフォーマンスが目的の方には、他を勧めることがあります。
体験に行く前に、準備しておくといいこと
言いにくいことを1つだけ、先にメモしておいてください。太くなるのが不安、周期でしんどい週がある、残業が読めない。どれでも構いません。
それを最初に伝えたときの反応で、その先が続くかどうかはだいたい分かります。流されるか、設計に反映されるか。ここが判断材料としては一番確実です。
よくある質問
Q. 女性トレーナーでないと駄目でしょうか?
希望があれば確認する価値はあります。ただ、性別より、体調や不安を伝えたときに設計へ反映されるかどうかのほうが、続くかどうかには効いてきます。
Q. 生理中は休んだほうがいいですか?
体調によります。無理に行う必要はありませんし、行ける日に軽く動かすほうが楽になる方もいます。痛みが強い場合や普段と違う症状がある場合は、医師に相談してください。
Q. 産後はいつから始められますか?
医師の許可が出てからです。時期は経過によって違うので、自己判断せず必ず確認してください。
【執筆者】今村 雅史(銀座トレーニングラボ代表・パーソナルトレーナー歴24年)
進化学・神経科学に基づいたトレーニング指導を専門とする。NASM OPTIMA 2025・2026年度講師。


