週2回、60分で体は変わるのか。銀座のビジネスマンに伝えたいこと
「時間がない」は全員の共通言語です。
銀座・丸の内で働くビジネスパーソンに話を聞くと、トレーニングを始めたいという気持ちはあるけれど、週に何回も通うのは無理だという声をよく聞きます。
週2回、90分。これで本当に体は変わるのか。答えを先に言うと、変わります。ただし、その90分の中身と、セッション外の習慣次第です。
「週5回トレーニング」は誰が始めた話なのか
まず、「週5回トレーニングしないと意味がない」という思い込みを解体しておきます。
週5回トレーニングというのは、1970〜80年代のボディビルダー文化から来た発想です。アーノルド・シュワルツェネッガーの時代。1日に複数の部位を何時間もトレーニングして、翌日もまた別の部位をやる。
これは「筋肉を最大化することだけが目的」で、しかも「24時間をトレーニングに使える人間」のためのプロトコルです。フルタイムで仕事をして、家庭もあって、社会的な責任も持っているビジネスパーソンには、そもそも関係のない話でした。
現代のスポーツ科学が示しているのは、筋肉の合成に必要な刺激は「週2〜3回」で十分だということです。むしろ、回数を増やしすぎて回復が追いつかないほうが逆効果になる。
90分で何ができるか
週2回・90分で何を達成するかを設計することが、ビジネスパーソン向けトレーニングの核心です。
私が銀座トレーニングラボで意識するのは、全身を毎回動かすことです。「今日は胸と三頭筋の日」「今日は背中と二頭筋の日」という分割法は、週5〜6回通える人のための設計です。週2回しか来られない人が分割法をやると、1週間のうち一部の筋肉しか刺激されない期間が長くなる。
代わりにやるのが「全身を複合動作で動かす」プログラム。スクワット系・ヒンジ系(股関節を曲げる動き)・プッシュ系・プル系・キャリー系(重いものを運ぶ動き)。この5つのカテゴリを毎回どこかで使うようにすれば、週2回でも全身が均等に刺激を受けられる。
90分で5〜7種目。これが実際のボリュームです。
ビジネスパーソンの体は何が問題か
銀座・丸の内で働く方の体を評価すると、共通したパターンが見えます。
まず、長時間のデスクワークによる股関節の硬さ。座り続けると腸腰筋(腸骨筋と大腰筋の総称)が短縮して、股関節が前に引っ張られる。これが腰痛の原因になることが多い。
次に、肩甲骨まわりの硬さと巻き肩。パソコン作業では常に肩が前に丸まる。胸郭が閉じて、呼吸が浅くなる。肩こりだけでなく、集中力の低下とも関係している。
そして、ふくらはぎから足首にかけてのむくみ。座りっぱなしで下肢の静脈が圧迫され、血流が滞る。夕方になると足がだるくなるのはこのためです。
この3つに対処するだけで、日常のパフォーマンスが変わります。体型の変化が目的の方でも、まずこの3つの問題を解消することが先決です。なぜなら、硬い関節や偏った筋緊張を持ったまま高強度のトレーニングをしても、弱いところをかばう動きが強化されるだけで、体型の改善より先にどこかを痛めるからです。
「効率的なトレーニング」の本当の意味
「効率的なトレーニング」という言葉が一人歩きしていますが、効率的というのは「短時間でカロリーをたくさん消費する」ことではありません。
正確に言えば、「目的に対して最も少ないリスクと時間で最大の適応を引き出す」ことです。
ビジネスパーソンにとってのリスクは、怪我と疲労の蓄積です。週2回のトレーニングの翌日が使い物にならないほど疲弊していたら、仕事のパフォーマンスに支障が出る。それは本末転倒です。
なので私が意識するのは、「翌日には疲労が残っているけど、2日後には回復している」というレベルの負荷設定です。疲弊しない程度に刺激を与え続ける。これが6ヶ月、1年と続けたときに最大の結果をもたらします。
食事の話を避けられない
ビジネスパーソンのトレーニングで避けられないのが食事の問題です。
接待、飲み会、移動中の食事、昼の時間がなくてコンビニ飯。こういう生活の中で「食事管理をしろ」と言われても難しいのはわかっています。
だから細かいカロリー計算をすすめることはしません。代わりに、シンプルなルールを2〜3個だけ守ってもらうことを提案します。
まずタンパク質を毎食意識して摂ること。筋肉をつくる材料がないとトレーニングの効果が半減します。鶏肉、卵、魚、大豆製品。この辺りを1食に1品は入れる。
次に、アルコールの頻度と量を見直すこと。アルコールは筋肉の合成を阻害するホルモンを分泌させます。週3〜4回飲むビジネスマンと週1〜2回に抑えたビジネスマンでは、同じトレーニングをしても3ヶ月後の体の変化が明確に違います。
最後に、睡眠を削らないこと。筋肉は眠っている間につくられます。睡眠時間を削って仕事や付き合いに充てるのは、トレーニングの効果を半分以下にしている行為と同じです。
「通える場所にある」は思った以上に重要
最後に、立地の話をします。
どんなに優れたプログラムでも、通えなければ意味がない。
銀座・東銀座は、銀座線・日比谷線・都営浅草線が交わる交通の便が良いエリアです。仕事帰りに寄れる。ランチタイムに来られる。移動の途中で立ち寄れる。
「家の近く」よりも「職場や移動経路の近く」に通うジムがあるほうが、実際には続きやすい。これは多くのビジネスパーソンが実感していることです。
週2回、90分。それで体は変わります。ただしそれは、何をやるかと何を続けるかが正しく設計されているときの話です。銀座トレーニングラボでは、その設計から一緒にやります。
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【執筆者紹介】
今村 雅史(Masafumi Imamura)
銀座トレーニングラボ代表。「一生モノの美脚」を提案するパーソナルトレーナー歴24年の動作改善スペシャリスト。
延べ数千名の指導実績を持ち、プロ選手やJリーガーなどトップアスリートのパフォーマンス向上を支援。
現在は中学校女子バスケットボール部のコーチを務めるほか、国際的なトレーナー教育機関「NASM OPTIMA」にて2025年、2026年と2年連続で講師として登壇しています。
進化学・神経科学に基づいた専門知識と豊富な現場経験から、あなたの身体の「なぜ?」を根本から解決します。
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