足の構造を理解すると、脚はちゃんと細くなります。
しかも、筋トレでもマッサージでもなく──
「なぜ人間の足が“物をつかめなくなったのか”」を知ることが、脚痩せの本質的なスタートラインなんです。
この第2回では、サルと人間の足の違いに注目しながら、ヒトだけが「つかむ力」を手放し、「支える機能」に特化させた理由をひもといていきます。
この進化の物語を知れば、“なぜ脚だけ痩せないのか?”の原因と、“どう使えばスッキリするか”がはっきり見えてきます。
サルの足は“第2の手”
サルの足は“第2の手”
サルの足には、手と同じように物をつかむ力があります。
木の枝を握ってぶら下がったり、足で果物を持って食べたり
──それができるのは、足にも母指対向性(親指が他の指と向かい合う構造)があるからです。
つまり、サルにとって“足”は、もうひとつの“手”。
手足をバランスよく使うことで、枝の上を移動したり、外敵から逃れたりして生き延びてきたんですね。
人間は、なぜ“つかむ足”を手放したのか?
人間の祖先が地上に降り、直立二足歩行を始めたことで、足の役割は大きく変わりました。
木の枝をつかむ必要はなくなり、代わりに必要だったのは──
**体を支え、安定して地面を踏みしめ、長距離を歩くための「支える足」**です。
この進化の過程は、実は赤ちゃんの発達にもそっくり現れています。
生まれたばかりの赤ちゃんの足は、まだグーのように丸まり、指が自由に動く“つかむ足”の形をしています。
でも、寝返り・ハイハイ・つかまり立ち・そして歩行と進んでいく中で、次第に足の指は“支えるための役割”へと変化し、踏みしめる動きが増え、**アーチ(土踏まず)**が形成されていきます。
これと同じことが、人類の進化の中でも起きたのです。
- 親指は他の指と並び、「つかむ」から「押す」動きに特化
- 指は短く太くなり、踏みしめる力を発揮しやすくなった
- 骨は靭帯でガッチリ固定され、土踏まずが発達し、地面からの衝撃を吸収できる構造に
つまり、ヒトは「つかむ足」を手放し、「支える足」に最適化された存在**なのです。
そしてそれは、個人の発達にも、種の進化にも共通する“使い方の再構築”のプロセスなんですね。
足指でつかんでも、脚は細くならない
この進化をふまえて考えると──
「足の指で物をつかむ練習」「足じゃんけん」などが脚痩せに効くという話、ちょっとズレていると思いませんか?
なぜなら、ヒトの足指は“つかむ”機能を失っているからです。
構造的に、その動きに適していないんです。
もちろん感覚トレーニングとして意味がゼロとは言いませんが、本質的に脚痩せに必要なのは、「支える・踏む・押す」という動作です。
そして、それを正しく行うためには:
- 足のアーチを意識して地面を押せているか?
- 指が“浮いて”いないか?
- 踵でしっかり体重を受けているか?
こうした“支える足”としての使い方を再学習することが、下半身のラインを変える第一歩になるのです。
美脚をつくるのは「つかむ足」ではなく「支える足」
今日からできる「足の再学習」3ステップ
① 靴を脱いで立つ時間を増やす(感覚の再起動)
床の上に素足で立ち、自分の指が浮いていないか、踵に体重が乗っているかを確認します。
まずは「地面を押す感覚」を取り戻すことが、脚痩せの第一歩です。
② タオルつかみより“親指を上げる”練習(支える力の再起動)
足の指でタオルを引き寄せるのではなく、
まずは「親指だけを上げる動き」から始めましょう。
これは、方向転換やバランス保持に必要な動きであり、
このとき小指側(小趾球)で体を支える感覚が目覚めていきます。
👉 ポイントは、
- 親指だけをゆっくり持ち上げる
- 小指側の指はしっかり床に残す
- 体重が母指球・小趾球・踵の3点で安定しているか意識する
これが「踏ん張れる足」「支える足」の基本土台になります。
ヒトの足の親指(母趾)は、もともとサルのように枝をつかむための“把握機能”を持っていました。
しかし、人類が地上での生活を選び、直立二足歩行を獲得したことで、足の役割が「握る」から「支える・動かす」へと劇的に変化します。
その変化の中で、親指は**他の指と横並びの位置に移動し、地面をしっかり踏みしめる・蹴るための“推進レバー”**として再構築されました。
なぜ親指が“方向転換”に必要なのか?
- ヒトの歩行は「かかと → 母指球 → 親指」という重心移動のラインに沿って行われます。
- この中で親指は最後に地面を押し出す“蹴り足”の役割を果たします。
- とくに方向を変える・止まる・踏ん張るといった動作では、親指の付け根(母趾球)と母趾屈筋の働きが必要不可欠です。
つまり、親指は「ただ踏む」だけでなく、進行方向を制御するハンドルのような役割を担っているのです。
ですが、現代ではこの親指の機能が使われなくなっています。
- クッション性の高い靴
- ヒールやパンプスで母趾が締め付けられる
- 座りっぱなしの生活で足裏を使わない
結果、親指が浮いている・動かない人が非常に多いのです。
これでは方向転換が苦手になり、歩行時に太ももやスネに負担が集中します。
だからこそ──
「親指だけを上げる練習」は、“使われなくなった動きの起点”を目覚めさせるリハビリ的な役割を持っています。
一方で、小指側の役割も進化の中で大きく変化しました。
四足歩行の時代、小指側は地面を蹴る力にはそれほど関与していませんでしたが、直立二足歩行になってからは、横方向の安定を担う“支えの柱”としての役割が強化されたのです。
なぜ“小指側”が重要なのか?
- 足のアーチ構造は縦のアーチ(土踏まず)だけでなく、横のアーチ(中足骨アーチ)からも成り立っています。
- 小趾球はこの横アーチの一端として、体重を外側で支える“ストッパー”の役割を果たします。
- 小指側がうまく働かないと、重心が内側(母趾側)に偏り、膝が内に入りやすくなる(X脚傾向・前ももパンパンの原因に)
また、小指側が浮いていると、股関節や骨盤の外側筋(中臀筋など)も機能しにくくなります。
その結果、下半身の引き締めに重要な「お尻の横」や「内もも」が使えず、太ももやふくらはぎばかりに負担がかかるのです。
だから、親指を上げるときには必ず小指側で地面を押せているか?支えられているか?をセットで確認することが大切なんです。
この2つのバランスが整ってはじめて、「支える足」=進化に沿った脚痩せの土台が完成します。
③ 踵と小指側を意識したヒップリフト(動きの連動)
スクワットではつま先に乗ってしまいやすい人も多いため、まずは床を踏みしめる感覚を安全に身につけるにはヒップリフトがおすすめです。
仰向けで膝を立て、踵で床を押してお尻を持ち上げる。
このときも、つま先ではなく踵と小指側の意識で押し上げましょう。
→ 自然とお尻・内もも・ハムストリングに刺激が入っていればOK!
→ 「前ももに力が入る」「腰が反る」といったクセも確認できます。
この3ステップは、すべて進化に沿った“使い方の再学習”です。
足の構造を正しく理解し、それに合った動き方をしていけば、筋トレよりも先に、体のバランスと脚のラインが変わっていくのを感じられるはずです。
トレーナーとして思うこと
私自身、トレーナーとして現場に立って20年以上になりますが、動きに悩む多くの方が、足を「支える道具」としてうまく使えていないことに気づかされます。
足の成り立ちを知ることは、単なる知識ではなく、その人の“動きのクセ”や“使えていない筋肉”を見抜く手がかりになるのです。
動きを整えることは、見た目も変える。
だからこそ、進化の視点は、ダイエットにも指導にも活かせる武器だと感じています。
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