Result
なぜ結果を出せるのか
体が変わる、その理由
まず、ほとんどのトレーニングが結果を出せない理由から話します
「脚を細くしたい」とトレーナーに伝えると、多くの場合スクワットやランジが処方されます。
それ自体は間違いではありません。ただ、なぜそのエクササイズなのか、なぜその順番なのか、なぜその重さと回数なのか、ちゃんと説明できるトレーナーはほとんどいません。
そういった理由でメニューが組まれている場合、同じことをやっても人によって結果がまったく違ってきます。あなたの体に合った理由がないからです。
その根拠がどこから来るのかを、順を追って説明します。
最初にやることは「あなたの体の現在地を知ること」
トレーニングを始める前に、まずあなたの体が今どういう状態にあるかを丁寧に確認します。
脚が細くならない方には、ある共通点があります。それは「ちゃんとしゃがめていない」ということです。
しゃがむという動作は、足首・ひざ・股関節・体幹・背骨がすべて連動して初めてきれいにできます。どこか一つでも動きが崩れると、他の部位がカバーしようとして、本来使わなくていい筋肉に負担がかかります。前ももが張る、ふくらはぎが太い、というのはその結果であることがほとんどです。
だから私たちはまず、「ちゃんとしゃがめるか」を確認することから始めます。
具体的には、両腕をまっすぐ頭の上に伸ばしたまま、できるだけ深くしゃがんでもらいます。腕を上げたまましゃがむのは、一見シンプルに見えますが、体のどこかに動きの制限があるとすぐにバランスが崩れます。ごまかしが効かない動作だからこそ、現在地がはっきり見えます。
しゃがんだときに見えてくること——
この一つの動作を見るだけで、足首・ひざ・股関節・体幹・肩甲骨・お腹の捻り、これだけの部位の状態を同時に確認することができます。
この評価で問題が見つかった動きは、まずトレーニングのメニューから外します。できない動作に負荷をかけても、体は崩れたまま動き続けるだけです。崩れた動きパターンに何度も負荷をかけることで、その崩れがどんどん強化されていきます。
「スクワットをやるほど前ももが太くなった」「ジムに通い始めてからふくらはぎが張るようになった」——それはスクワットが悪いのではなく、できていない動きのままスクワットに負荷をかけたことが原因です。
正しくできる動きにだけ負荷をかける。できていない動きは、まず動きそのものを整えることから始める。この順番を守ることが、遠回りに見えて実は最短ルートです。
目的はゴールの方向を決めるだけ。種目を決めるのは評価の結果
「脚を細くしたい」という目的は、どの方向に進むかを決めます。でも、何から始めるかを決めるのは、動作評価の結果です。これが、多くのジムとの一番大きな違いです。
スクワットに至るまでに、あなたの体に必要なステップをちゃんと踏んでいます。このプロセスを飛ばして最初からスクワットをやっても、必要な動きが出ていない状態では、前ももやふくらはぎに負担が集中してしまいます。あれはスクワットが悪いのではなく、必要な動きが整う前にスクワットを入れたことが問題だったのです。
「なぜその順番か」には、進化の歴史が関係しています
なぜ評価で問題が見つかった動きから先に整えないといけないのか。なぜ目的の種目をいきなりやってはいけないのか。この順番には、ちゃんとした根拠があります。それは人間の進化の歴史です。
少し面白い話をします。
爬虫類は首を左右に動かすことができます。トカゲが周りをきょろきょろ見回す様子を想像してもらえるとわかりやすいです。でも爬虫類は、お腹を捻ることができません。体全体をくねらせることはできても、上半身だけを独立して回旋させる構造を持っていません。哺乳類になって初めて、お腹を捻る動きが獲得されました。
| 進化段階 | 首の回旋 | お腹の捻り |
|---|---|---|
| 両生類 | ✕ | ✕ |
| 爬虫類 | ○ | ✕ |
| 哺乳類 | ○ | ○ |
これがトレーニングの順番を決める根拠になっています。問題のある動きを飛ばして先に進んでも、体はその動きを正しく使えません。だから評価で見つかった問題から順番に整えていく必要があります。
この原則は、たとえばウエストを細くしたい方にも当てはまります。どれだけ腹筋や体幹トレーニングをしても、ウエストが細くならない方がいます。その原因の一つが、首の動きが出ていないことです。首がうまく捻れない状態では、お腹を捻ろうとしても体はうまく動けません。「ウエストの話なのになぜ首を?」と思うかもしれませんが、お腹の捻りに至るまでの動きがどこから崩れているかを確認しているのです。
脚にも、ウエストにも、体のどの部位にも、同じ原則が当てはまります。土台となる動きを整えずに上だけ鍛えても、効果は出ません。動きを進化の順番に沿って整えていくことで、初めて体が変わり始めます。
「なぜ動けないか」の原因まで特定する
動作評価で「ここが動いていない」という事実がわかっても、それだけでは介入の方向が決まりません。なぜ動いていないのかを特定する必要があります。同じ「股関節がうまく動かせない」という状態でも、原因は人によって違います。
これらの感覚の問題に対しては、ただ動かすアプローチではなく、センサーを正しく働かせるアプローチが必要です。原因が違えば、介入の方法も変わります。だから私たちは「なぜ動けないか」まで掘り下げてから、エクササイズを決めます。
一つひとつのエクササイズに、必ず理由がある
体の現在地を評価して、どこの動きから整えるべきかを確認して、進化の順番に沿って一つひとつ整えていく。その過程で、「今のあなたにはこれが必要」という根拠のある種目を、根拠のある順番で、根拠のある重さと回数で処方する。これが私たちのトレーニングの基本的な考え方です。
重さも回数も、全部に根拠があります
種目だけでなく、トレーニングの強度にも根拠があります。脚を細くしたい場合と、筋力をつけたい場合では、必要な刺激の種類が違います。同じ種目でも、重さや回数を変えることで、体への働きかけ方が変わります。
また、その日のあなたの状態によっても調整が必要です。睡眠が十分に取れているか、疲れが残っていないか、ストレスの状態はどうか。こういったことが、トレーニングの質に直接影響します。
疲労が溜まっているときに無理な強度でトレーニングをしても、体は適切に回復できません。それどころか、動作の質が落ちて、本来動かしたい部位ではなく別の部位が代わりに動いてしまうことがあります。前ももが張っている方の多くは、本来動くべき部位が動けなくて、前ももが代わりに働いてしまっているケースです。
だから私たちは、毎回のトレーニングの前にあなたの状態を確認し、その日に適した強度を設定します。これを繰り返しながら、少しずつ体が変わる刺激を積み重ねていきます。
体が変わるとはどういうことか
体が変わるのは、適切な刺激に対して体が「適応」した結果です。負荷をかければ変わる、というわけではありません。今のあなたの体に必要な動きを、正しい順番で、継続して引き出し続けたとき、体は少しずつ変わっていきます。
その「必要な動き」が何かは、一人ひとり違います。だから、評価なしに処方されたトレーニングは、誰かには効いても、あなたには効かないことがある。
体質のせいではありません。あなたの体に合った順番と根拠で進めていないことが、変わらない本当の理由であることがほとんどです。
まず、あなたの現在地を確認しましょう。
どこから始めれば一番早く変われるか、
あなたの体を見ながら一緒に考えます。